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世界基準のドッグトレーニング①

世界基準のドッグトレーニング①

可愛いワンちゃんと暮らす。
考えただけでワクワクしますね!

しかし一緒に暮らすうちには、トラブルや困ったことが出てくる場合もあります。
そんな時はぜひ、ドッグトレーナーさんに相談してみてください。
飼い主さんとワンちゃんのスムーズなコミュニケーションは、きっとお互いの快適な暮らしの為に役立つことでしょう。

一口に「犬のトレーニング」と言っても、トレーニング法やトレーナーさんの基本方針は様々です。

癒わんらいふでは、飼い主とワンちゃんのハッピーライフの為にトレーニングを行なっている[ドッグトレーニングWithPaw]の中島由里子さんに色々教えて頂きましたので、これから数回に分けて皆さんにお届けしていきます。

今回は中島由里子さんがドッグトレーナーになるきっかけになった体験やトレーナーとしての思いを、欧米と日本の犬の飼育事情の違いと共にご紹介します。

プロフィール

ドッグトレーニングWithPaw
中島由里子

夫の仕事でアメリカに在住していた時、大型犬を飼う。
そこでアメリカと日本のペットの飼い方の違いを知り、しつけの必要性を痛感。
帰国後、"苦痛を伴わないしつけ法"を掲げる「英国式ドッグトレーニング・Our Way Dog School 」の門を叩き、松本和幸校長に師事。
ドッグトレーナー資格取得。
その他、動物経絡温灸取扱者公認資格取得。
数々のドッグイベントに参加。
飼い主とワンちゃんのハッピーライフの為に、現在は主に家庭犬のしつけで出張トレーニングを行う。

アメリカで出会った家庭犬たち

私が夫の仕事の転勤で家族でアメリカに行ったのは、2000年の初めです。
それから7年ほど住んで日本に帰ってきました。
ですので、今からかれこれ12年~20年近く前の話です。

子どものお友達のお宅に私が招かれた時のこと。
「そのお家には犬が沢山いるよ」と、子どもに聞いてはいました。
「どうぞ~」と招かれ、大理石でできた玄関ホールに入り、そのまままっすぐママ友について廊下を進んでいきました。

すると、途中「ドドドドっ」と後ろから音がしました。
「えっ?」と振り返ると、一見して5、6頭の犬たちが、どこから出てきたのか私の後ろからついて来ていたのです。
ボクサータイプの大きいコもいればダックスもいます。
「わぁ、このコたちか♡」と内心思い、あの勢いだと私の足元をすり抜けて抜かされるな、と思っていたんです。
でも一向に抜かされる気配は無し。
後ろから足音は聞こえています。

そして広いダイニングキッチンに入り、私たちは立ち止まり会話を始めたのですが、その最中振り向くと、犬たちが全員でダイニングキッチンの入り口の手前で止まっているんです。
そしてみんなお座りをしている。
そこには境界線があるわけではなく、段差も無い。

私たちの後について入って来るものとばかり思っていたので「え?」と驚いていると、「あぁ、この子達ね」とそのママは言います。
犬たちの部屋(注:部屋というより車のガレージ2個分くらいの納屋が建っていて、母屋とつながっている)からここまでは自由に来ていいけど、ここからは入ってはいけないとしつけてあると。
ダイニングキッチンに入る手前に地下(そこはとても広い部屋で、カウンターバーやゲームコーナーなどが設えてあり、大人数でパーティする時にも使う場所)に通じる階段があり、そこで子どもたちがワイワイと遊んでいるのですが、そこには下りて行っていいそうで、ママ友と私をそこまで見送った犬たちは、静かに地下に下りて行きました。

今なら「見えない境界線」の意味が分かりますし、覚えさせることもできます。
しかし、その当時は分からなかったので「すごい、そんなしつけができるんだ!」と驚いたのを覚えています。

その後も何人ものアメリカ人のお宅にお邪魔させて頂きましたが、大抵犬を飼っていました。
そして驚いたことに、みんな大人しい。
吠えられたことも無ければ飛びつかれたこともありません。
みんな大人しく、その存在すら忘れてしまうくらいに自然にその辺に寝そべっていたり、子どもが居ればシッポを振りながら静かに付いていく。
初対面の私が行っても、静かに挨拶に来てくれてそのままスッと自分の場所に戻って行く。そんな感じです。
自然に家族の一員なのです。

もちろんアメリカにだって困ったワンちゃんはたくさん居ますし、たまたま私がお邪魔したお宅のワンちゃんたちがきちんとしつけられているコたちだった、という事もあるでしょうが、人間と犬が調和の取れた生活を送っているなぁという印象を受けました。

犬が居るお宅の一人一人に聞いたわけではありませんが、大体のお宅では、犬が入っていい場所、ダメな場所等はきちんと分けていて、犬もそれをわきまえている。
そういう風にしつけられている、そんな感じでした。

しかしこの頃は犬を飼っていたわけではないので、犬を飼う事に関しての視点や認識があまり無く、漠然と心の片隅に印象付けられるに留まりました。

犬を飼う

ここからはちょっとお恥ずかしい話になります。

それから程なくして、うちでも犬を飼うことになりました。ゴールデンレトリバーです。

私は小さい頃から動物が大好きで、家で犬や猫を飼っていました。
なので犬の扱いは慣れている、と自負していました。
実際子どもの頃から飼っていた犬たちは、今考えても本当にいいコたちでした。
ですから結婚して私の家族で初めての犬を飼うことになった時も、犬を飼うのは簡単だと考えていたのです。
お世話は当然ちゃんとするし、子どもたちの良い遊び相手になるだろうし、広いアメリカで犬を連れて色んな所に遊びに行ける、と。
しつけも簡単にできると高をくくっていたのです。

しかし、このゴールデンちゃんはそんな私の甘い考えをことごとく覆してくれたのです。

とにかくやんちゃ。

家の中では言う事を聞くのに、外に出ると豹変する。
お散歩では引っ張る、人が来ると飛びつく、うれションをする、お留守番させると床板をバリバリかじって剥がす・・・。
オンパレードでした。

吠える事と噛みついたりする事は全く無かったので、(一応噛みつかないようにはしつけたので)その点に関しては良かったのですが、とにかく人が大好きで、お散歩中に他人に会うと誰彼構わず尻尾を振って飛びついてしまうのが難点でした。
それでも自分なりにしつけているつもりでいたのです。

トレーニングは当たり前

あるお散歩中に、見知らぬ女性が向こうから歩いてきました。
ただでさえ引っ張り気味だったうちのゴールデンちゃんが、興奮してその人に飛びつこうとグイグイと前に引っ張ります。
行かせまいと私も力を入れて引っ張り返す(笑)。
でも彼(ゴールデンちゃんはオス)はその人に飛びついてしまいました。

するとその女性は「アラアラ」と困った顔をしながらも微笑んでくれてこう言いました。
「可愛いわね。でもこのコ、パピートレーニングには行かせたの?」と。
ん?なにそれ?と思いましたが、トレーニングにわざわざ行かせてはいないので、「いいえ」と答えると「行かせた方がいいわよ」と言います。
見知らぬ人に言われたことに面喰らった私は、「でも家でトレーニングしていますから」と答えたのでした。
「あら、トレーニングしているの?ならいいけど」と言ってその人は去って行きました。

実は2回もそんなことがあり、もう一人は、「この近くにいいトレーニングスクールがあるよ」とまで教えてくれました。

私が驚いたのは、見ず知らずの他人に「トレーニングはしてる?」「トレーニングに行きなさい」などと言われたということです。
日本でそんな事言ったら、余計なお世話だ!と怒鳴られそうな気がしますよね。
でもアメリカ人は私を非難したかったわけではありません。
親切で言ってくれたのです。
そして、見ず知らずの他人でも気さくに声を掛ける、というお国柄もあると思います。
これは別に犬の事に限ったことではありませんが。

でもとにかく、犬を散歩中にコントロールできていない私を見て口々に「犬のトレーニングは?」と言ってくれた人たちに会い、恥ずかしい体験をした私はそこで はた、と思ったのです。

アメリカでは犬のトレーニングするのが当たり前?みんな普通にやってる事?と。

もちろんここで言うトレーニングとは、飼い主家族が我流で行うものではなくプロに任せる、プロに教えてもらい一緒に行うトレーニングのことです。

そこから私の犬に対する認識が少しずつ変わり始めました。

アメリカでは大型犬を飼っている人がとても多かったです。
それもお国柄だと思います。
お家も広いし、車も大きい。何もかも日本より大きいですから。
日本では滅多に見られない大きな犬もしばしば見ましたし、犬種も様々でした。
MIX(雑種)犬も結構居ましたね。
そういうコたちは大抵、シェルターと呼ばれる、日本で言う保護センターみたいなところから里親として貰い受けてきた保護犬です。

私が住んでいた地域は、犬に対する意識が高い人が多かったせいか、きちんとトレーニングされしつけられた犬が多く、困ったちゃんを見かけたことはありませんでしたが、アメリカ全土で言えば、犬による咬傷事件も多く、トラブルもかなりあるようです。
何しろ大型犬が多いですから、何かあった時深刻な事態になる可能性が高いわけです。
訴訟になるケースも多々ありますからね。

ヨーロッパ圏のペット事情

私がドッグトレーナーになるべく学んだところは「英国式ドッグトレーニング」ですので、少しヨーロッパの事情に触れますと、ヨーロッパ圏の国々ではペット事情はもっと進んでいて、これよりもっと以前から犬の幼稚園などのしつけ教室が当たり前にあったようです。
パピーを迎えたらパピートレーニング。しかも家族みんなでスクールに行ってトレーニングを受けるのです。

最近では犬を迎えたら 犬を飼うために必要な知識に関しての講習を何時間受けるとか、実技テストもあり、それに合格しないと犬を飼えないという国もあります。
スイスやドイツなどがそうですね。

それが浸透しているからでしょうか、中には犬がノーリードで歩ける街があります。
以前フランスに住んでいた知人も、犬がノーリードで歩いているのが当たり前だったと言っていました。
みんな飼い主さんの横をきちんと歩いていたと。

電車やバスにも普通に乗っているし、これは犬のトレーニングが行き届いている証と言えるのではないでしょうか。
逆に言えば、トレーニングができない人は飼い主になれない、ということです。

日本のペット事情

日本は欧米に比べてペット事情が20年も30年も遅れていると言われています。
私の習ったところではそれ以上とも言われました。
これは意識の違いもあると思います。
人々の意識が変われば習慣も変わる。そしてひいてはそれが制度をも変えることもあります。

日本は遅れていると言われましたが、急速に意識が変わりつつあるのではないかと感じています。
犬の飼育率が増えればそれに伴いトラブルも増えてきます。
住宅事情もあるし、昔みたいな飼い方(外飼い、放し飼いなど)をしない分、昔には無かった問題も起きてきます。

犬や猫を扱う業者のモラルも度々問題として取り上げられていますし、保護犬の殺処分ゼロを目指した取り組みや、制度の改革も叫ばれるようになってきました。

飼い主さん側も、ペットショップで犬を買うというより保護団体から保護犬を迎える人も増えてきましたよね。

日本のペット事情に関する問題は山積しているとはいえ、飼い主さんの意識が変わってきたことも確かだと思います。
昔は飼い犬をトレーナーに預けてトレーニングしてもらう、或いは一緒にトレーニングするなんて考えもしないことが普通でした。

しかし今では犬を単なるペットではなく家族の一員と捉えるようになった事も背景にあり、色々問題を抱えてしまった愛犬の対処に困った飼い主さんが、トレーニングをお願いするという事も珍しいことではないと言えるようになってきました。
特に大型犬を飼っている飼い主さんの多くはトレーニングが必須だと考えてきているように思います。

20年近く前にアメリカで当たり前だったことが、今日本でも当たり前と言えるようになりつつあるのかなぁと私は感じています。
もちろん犬を飼っている人たち全てというわけではまだまだありませんが、少しずつでもそういう認識になってきている飼い主さんが増えているのではないかと思うのです。

ドッグトレーニング With Paw
(ドッグトレーナー・インストラクター)
中島由里子
神奈川県横浜市青葉区
TEL  070-4444-5199 / 090-2542-5513
※受付時間 9:00〜18:00
E-mail withpaw@gmail.com

編集後記

国によって、地域によって、ペット事情や飼い主さんの意識は大きな違いがありそうですね。

日本でも、都市部では外飼いのワンちゃんを見かけなくなりました。
動物保護法やペット事情の変化が急速に進んでいる今は、過渡期にあるのかもしれません。
進んでいる欧米の良いところを取り入れて、これからもっと楽しく幸せなワンコライフが送れるようになればいいなと思います。

ライター/ちこ

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