幸せストーリー/保護犬猫との癒わんらいふvol.3🐶🐱

第3話は、東京都にお住まいのSさんご家族と元保護犬ヤマトくんとの癒わんらいふ🎶
元保護犬のヤマトくんは2017年に推定4歳でSさんのご家族になり、2019年8月現在6歳の男の子です。
ヤマトくんは生まれながらの、いわゆる“野犬”でした。
地域の問題として取り上げられることもある 野犬…
果たして懐くのでしょうか。
家庭犬になれるのでしょうか。
Sさんご家族とヤマトくんとの癒わんらいふをご紹介します。
ヤマトくんとの出会い
2017年6月ごろ
最初は、動物保護団体「しっぽのみかた」の保護犬「まる子(元野犬)」に惹かれ、何度か面会をさせて頂いていました。
その頃のまる子はまだ凄く怖がりで、私たちとの相性はどうかな~…と思い悩むと同時に、野犬の事をたくさん知りました。
同年7月11日
まる子の事をどうしようかと日々考えていたところ、しっぽのみかたから 山口県周南市の保健所で翌日期限が切れる(殺処分される)犬の事を教えてもらいました。
その子が後のヤマトです。
里親を緊急募集していたので、私は挙手しました。
翌日、現地のボランティアさんがヤマトを保健所から引き出してくれ、ヤマトを空輸(貨物室)で羽田空港に送ってくれました。
羽田空港ではしっぽのみかたメンバーがヤマトを迎えてくれて、そのまま我が家へ。
実際にその犬に会ってから、名前を「ヤマト」に決めました。
そうしてヤマトは私たちの家族になりました。
家庭犬ヤマト誕生!?
ヤマトが我が家に来た日の事は今でも鮮明に覚えています。
犬が来ると決まった時からワクワクしていました。
これから犬が来るんだぁ!と。
盛大にお迎えしてあげようと思い、調子に乗ってスイカ、メロン、焼き芋、チーズを用意しておきました。
実際は怖くて食べるどころではなかったみたいです。
キャリーから出してみると、即座にテレビ台の裏に隠れようとしました。
でも頭しか入らず胴体は出たまま。
「あ~、犬だなぁ」と思いました。
仕方なくテレビ台をずらすと、壁とテレビ台の間にすっぽり収まって震えていました。
翌日の朝、そっと覗いて見ると、なんと横になって穏やかに寝ていました。
これを見た時は安心して、嬉しかったです。
『あぁ、やっと眠れたのかな?』『保健所での7日間はろくに眠れなかったのではないかな』と。
ここから父と私、ヤマトの新しいS家の日々が始まりました。
父と私は、保護犬まる子とその保護団体しっぽのみかたのおかげで、ヤマトに巡り会えたのです。
私にとってまる子は、ヤマトに出会うきっかけを与えてくれたキューピッドみたいな存在です!
その後私は、しっぽのみかたのメンバーから手伝いを頼まれ、最初はただのお手伝いさんだったのが、いつの間にかメンバーになってしまいました(笑)
ヤマトくんを迎えた事での家族の変化
ヤマトを家族に迎えてから、我が家の生活や雰囲気は一変しました!それはもう、無から有くらいの変わり様です(笑)
我が家は母が他界後、私が実家に帰り父と二人暮らしをしていました。
もともと私と父は喋る人間ではないのと、そんな男二人だけの生活だった為か、特に何もない日々が続いていました。
それがヤマトがうちに来てからは激変しました!
先ず、会話が凄く増えました。
話題はヤマトの事を中心に、そこからついでに普段しなかった世間話をする様になりました。
私と父の、単なる共同生活の様だったものが、父親と息子と犬、といった “家族” の形が出来た気がします。
ヤマトが来てから約半年後、ヤマトは散歩が出来る様になり、私たちの生活の一部に1日2回の散歩が加わりました。
何もなかった生活にルーチンができ、生活の柱の様なものが形成されました。
週1回はドライブしてドッグランに行く、というちょっとしたイベントもできました。
私も父も明るくなった事は確かです。
父は今まで何も運動をしていませんでしたが、ヤマトの散歩をする様になり、健康になりました。
また、よく喋る様になりました(どうでもよい事まで(笑))
毎年受けている人間ドックでも医師に誉められたみたいです(笑)
私は独り言を言う様になりました。
普段ヤマトに話し掛けているのが癖になったみたいです。
そのお陰か、例えば仕事中に不快な事があっても、独り言を言っていたらストレスが溜まらなくなった気がします。
そのせいか、以前より陽気になった気がします。
ヤマトくんが与えてくれるもの
彼はただそこに居てくれるだけ、存在そのものが癒しです。
帰宅すればヤマトがいる。
もはやヤマトのいない世界は考えられません(笑)
ヤマトは野犬特有の超怖がりで、震えて脱糞するほど人間が怖い犬でした。
でも日に日に怖がりが薄れていき、家の中を “普通” にうろうろ歩く様になりました。
そんな超怖がりなヤマトが
「怖くて出来なかったことが出来る様になる」
この事が一番嬉しいです!
怖いけど一歩踏み出していく、その姿を見た時は感動します!
これまでに、散歩、散歩の際に突然鳴り響く音、ドッグランで他の犬たちと触れ合うこと、他人にも興味を持ってこっそり近付くこと、子供たちがいる場所やその声、吠えること、などなどを克服しました。
※野犬の多くは、吠えないようにと子犬の時に母犬から躾られるそうです。鳴くとカラスや虐待してくる人間や保健所の野犬捕獲員などに見つかってしまうから。
ヤマトは、ドッグランで遊んでいるうちに最初はかすり吠えだったのが、今や本気鳴きするようになりました!
やっぱり犬だから吠えたいこともありますよね!
基本的にヤマトの成長は一進一退で、その態度に対して虚しかったりイラッとしたり、悲しかったり、残念に思ったりする時もあります。
奮発して買ったおやつに目もくれなかった時は凹みます(笑)
ヤマトにとって、ほんとうに我が家で良かったのかな?と考える時もあります。
でもとりあえずヤマトが「まぁS家は可もなく不可もなく」とでも思っていてくれればよいかなと思う様にしています。
ヤマトを飼う上での方針は、彼の自主性を尊重するように心がけています。
敢えて怖がる場所にチャレンジさせることもしますが、無理強いはしない。
ヤマトは野犬の中でもマイペースなところがある反面、きょどきょどしたり、どうしたらよいか迷いながら挙動不審の様な行動をします。
時に期待を裏切ったりする不思議ちゃんです。
でもそれらをひっくるめて癒されます!
“保護犬猫” という存在と、その子たちを家族に迎えるということについて
保護犬猫を家族に迎えることは、ぜひお勧めします。そうしてほしいです。
保護犬猫の存在をもっと早く知っていれば、と今は思います。
私は保護犬を飼いたいと思う前は、世間で言う “普通” に疑問を持っていました。
それも手伝って、保護犬を!に至りました。
そして、既に人馴れしている保護犬か(元飼い犬など)、又は人間不振で全く人馴れしていない保護犬か、どちらを迎えたら良いかかなり迷いました。
すぐに私たちにじゃれて来てくれるのも良いし、徐々に心を開き馴れていってくれるのも良い。
悩んだ末、明確な根拠はなかったのですが、時間をかければどんな犬でも懐く、心を開いてくれる、という考えに至りました。
またどこかで『そうなる』という自信がありました。
保護犬猫、ぜひお勧めしたいです。
と言うより、それが “普通” になる事を願っています。
しっぽのみかたで活動する中で、ペット業界の裏事情を知りました。
だから尚更、「飼うなら保護犬猫を!」と言いたいのです。
日本では、動物はペットショップで買うものだという考えが “普通” で “当たり前” だと思います。私もそうでした。
保護犬猫を飼うことは、まだまだ特別な事だと思われています。
「保護犬でもいいじゃないか!ペットショップで仔犬を買う “普通” でなくてもいいじゃないか!」
どんな問題を抱えていても、成犬であっても、時間が必要になるかもしれませんが「必ず懐く」ということを私は信じています。
その過程が楽しく感動をもたらしてくれることもヤマトを通して実感しています!
“普通” のドッグライフ(犬との生活)というものは、犬が誰にでもゴロゴロ懐いたり一緒にキャンプに行ったり、テレビでよく見る光景の様に人間に合わせて行動するものなのかもしれません。
でも必ずしもそうでなくても良いのではないか。
“普通” でないドックライフでも楽しいはずだ。
いろいろなドックライフの形があって、それぞれ楽しくやれる、と信じています。
実際にヤマトがうちに来て2年、まだまだよそよそしいですが、確実に、徐々に馴れてきてくれています。
「必ず懐く説」は確かにあると思っています。
ほら!元野犬っていう “普通” とはかけ離れた犬でも懐いたでしょー!!
と自信を持って言えます。
野犬を取り巻く環境と自分ができること
私は今まで、募金振込や電子署名で満足していました。
でも、実際にしっぽのみかたで活動しているうちに、「体を動かして行動する」という事が一番大事だと痛感しました。
そうでないと何も変える事は出来ないと…。
現在、野犬がかなりの確率で毎日の様に捕獲され、どんどん殺処分されています。
野犬の仔犬は比較的懐きやすいですが、成犬の場合はなかなかそうはいきません。
実際、成犬の里親希望の手が上がりにくく、殺処分対象になりやすいです。
(そんな中でも成犬を保健所から引き出してシェルターや自宅で保護している個人や団体さんがいます。SNSなどでその活動を知ると、私自身も救われた気持ちになります)
みんな保健所で震えあがって悲しい顔をしています。
初めて見た写真のヤマトも、もう諦めた様な顔をして突っ伏していました。
野生の成犬は数年間、野の中で生きてきました。
過酷な環境に耐え、人間に接する事なく逃げて怯えながら。
その数年間の野生生活から家庭犬にする事は大変です。
(例えるなら、人間が宇宙人に拐われて宇宙船の中で生活しろ、という様な…)
飼い始めてみると、最初はケージの中に閉じ籠ったりします。
しかしそれでも飼い主さんは、優しく話し掛け体を撫でてあげたりするなど、一方的でも良いので毎日コミュニケーションをとってあげて下さい。
その子によっては年単位かかるかもしれませんが、諦めずに適度なコミュニケーションを取り続ければ必ず馴れてくれます!
人間という存在を受け入れてくれます!
立派な家庭犬になります❗
犬を飼う際は、そんな野犬の成犬たちにも目を向けて頂けたら嬉しいです!
ヤマトは今、私たち家族も含め、人間に興味を持つ様になり、『もっと寄り添いたいけど怖い、どうしよう…』という様子が見て取れる様になりました。
ヤマトは基本的に怖がりで素っ気くて、マイペースな不思議ちゃんです。たくさんの人の前ではキョドります(笑)
だけどそんなところもまた愛らしいのです。
皆さんもそう言ってくれています。
しっぽのみかたのメンバーの一人に、「ヤマトは2歳児みたい」と言われた事があります。全くその通りだと思います。
次の目標は、プールデビュー、よそのお宅デビューといったところです!
追伸… ヤマトへ
ヤマトへ
まだまだ怖い事や苦手な事がたくさんあるだろうけど、君のペースで乗り越えていこう!!
もっとたくさん楽しいことあるからさ。
ヤマトからベタベタしてくるのを待ってるぞ~!
Sさんのお話をお聞きして
“野犬”と聞いた時、どんなイメージを持ちますか?
どうしても、ネガティブなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
でもSさんとヤマトくんは、「野犬でも家庭犬として人と一緒に幸せに暮らせるようになる」ことを体現してくれています。
保健所からの引き出しに尽力してくださったKさんが教えてくれました。
「ヤマトが保健所で期限を迎えた日は、成犬が8頭も期限が来た時でした。
必死で(保護先を)探して、他の保護団体さんにもお願いした覚えがあります。
そんな折、Sさんのところへ連れて行ったヤマトは大人しくて良い子で…
Sさんがそんなヤマトの背中をさすって顔を寄せながら「家に来てくれてありがとうな!仲良くやっていこうな」と話しかけてくれ泣けました。
正式譲渡の時も、ヤマトは怖いけど私たちが気になるらしく、みんなの周りをウロウロして最後には私たちが囲っていたテーブルの下に入ってみんなを見上げていた姿にまた涙しました。
本当に感動がいっぱいありましたよ。」
編集/ちこ
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今回はうちの子をご紹介下さって、ありがとうございます❗
ヤマトが来てからの事を振り返りながら楽しく読ませて頂きました。
『家庭犬ヤマト誕生!?』の写真がヤマトの性格を良く表れています(笑)
Sさん
コメントありがとうございます。
あの、階段のからこちらを覗いている写真ですね?
『興味ある。でもちょっとコワイ』という感じだったのでしょうかね〜?
これからのヤマトくんの変化も楽しみですね。
記事を読まれたKさんから、『まだシャンプーもしていないヤマトの背中に顔を寄せて「家に来てくれてありがとう!」と言っているのを見て、「絶対に大丈夫だ!」と思い涙したのを思い出します』とメッセージいただきましたよ